うみねこのブルース

丸の内OLから地方の田舎のしがない主婦へ。のんびり生きてます。

『パンとスープとネコ日和』を観るとたまごサンドを食べたくなる。

わたしは「もたいまさこ」「群ようこ」「飯島奈美」「荻上直子」などの要素にもっぱら弱い。『かもめ食堂』は言うまでもないし、もはやかもめ食堂から芋づる式にわたしのすき要素は繋がっていく。

 

すきな作品の共通点としてタイトルの書体が極めてシンプルであることという条件は欠かせない。直感的に、タイトルの書体や色合いがごちゃごちゃしているものにはあまり興味が湧いてこない。

  

 

『パンとスープとネコ日和』は、このなかでももたいまさこ小林聡美というパワーワードを含み、かつ究極にシンプルな書体のタイトルという私の好物中の好物だ。ストーリーとしては、出版社で働く小林聡美さん演じるアキコが母の死と異動の話をきっかけにパンとスープだけを出すお店を開くというもの。

 

 

そんなこの作品はパン・スープ・ネコの三つの要素からなっている。 

 

1つ目の要素:パン

 「頭脳パン」はこの作品のエッセンスのひとつで、頭が良くなる成分の“頭脳粉”というものを原料にしているからそのような名前が付いている。ご当地パンは全国各地にたくさんあるけれど、これは金沢発祥の食べ物らしい。ということは、バイトのしまちゃんは金沢出身という設定なのだろう。

 

この作品を見て初めて頭脳パンの存在を知ったのだけれど、東京で売っているのを見かけて食べたことがある。何味だったかははっきり覚えていないけれど、単純に美味しかった。(わたしの頭脳がちょっとマシになったかどうかはわからない。)

 

  

そして、この作品の中で最もスポットライトを浴びるパンがたまごサンドだ。ゆで卵じゃなくて、オムレツタイプのたまごサンド。アキコが出版社を退職してお店を開くきっかけのひとつでもあるたまごサンド。

きっと10人見た人がいたら、10人全員たまごサンドを食べたくなると思う。

 

実際にこの作品を見たら、絶対にこのタイプのたまごサンドをわたしは作ってしまう。普段、サンドイッチを食べる時にスープまで作らないけれど、スープも作っちゃおうかという気になる。そのくらい、飯島奈美さんの作る料理にはジブリのご飯並の魔力がある。

  

 

2つめの要素:スープ

シンプルな料理の基本は、素材の良さを活かすこととダシが効いていること。

 

わたしのすきなおじさまナンバーワンを争う光石研さんを初め、市川姉妹のお姉ちゃん(市川美和子さん)、作家役の岸惠子さん、はっきり言って超演技派揃いだと思う。それでもコテコテの演技というよりかは、こういうひとっているよねっていうものをさりげなく演じていることがすごい。それぞれの素材が最大限に活かされて、シンプルなストーリーながら、ひとつの作品というスープが成り立っている感じがする。

 

 

普段生活しているなかで、同じく空気を持つひとと居ると居心地がとてもよい。

同じ雰囲気を共有する人間とそうでない人間がはっきりしているのも、この作品の良さのひとつだと思う。逆に言えば、排他的といえばそうかもしれない。「いい人なんだけど、空気がちょっと違うんだよな。」とか「この人とは詳しいことを聞かなくても上手くやっていけそう。」みたいな空気感。この作品がすきだと言う人と実際にすごく仲良くなれる自信がある。

 

 

3つ目の要素:ネコ

『パンとスープとネコ日和』は猫好きにもたまらない。荻上直子監督の『レンタネコ』に通ずるところもあると思う。

 

もちろん本物の猫(たろ)も出てくるし、犬派かネコ派と言われたら完全にネコ派の人間ばかり出てくる。ネコは気分屋な動物だけれど、人間にもネコっぽいに分類される人が一定数いる(私も完全にネコ派)。

 

この映画の良くも悪くもある特徴は、見る人を選ぶことだと思う。 多分、ハマらないひとにとってはこの映画はきっとつまらないものなのかもしれないとさえも思う(特に犬派の人)。

 

 

 

この作品がたまらないポイントとして、もたいまさこさんの演じる喫茶店のママ役がとてもハマっていて素晴らしいこと。ママこそ超気分屋のネコ派だと思う。まさにツンデレ。世話焼きを通りこして嫌みなことを言ってきたかと思えば、アキコのことを気にかけている。喫茶ハッピーが本当に存在していたら、通いたい(『すいか』の泥船にも通いたい)。

 

余談ながら、わたしの魔女のような母親は友人も認めるほどのもたいまさこ似である。思わず読者登録させていただいた方もお母さんがもたいまさこ似と書いていてすごく運命的なものを感じた。)もたいまさこさんの出演作品を幾つも拝見しているが、そのなかでもダントツにこの役はハマっていると思う。喫茶ハッピーのママに会いたくてこの作品を見るといっても過言ではない。

   

最後に

毎日の喧噪に嫌気がさしたら『パンとスープとネコ日和』をみて、 のんびりたまごサンドでも作ってゆっくりしよう。そうしたら穏やかな気分で一日が過ごせるはず。

 

パンとスープとネコ日和 DVD-BOX

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パンとスープとネコ日和 (ハルキ文庫 む 2-4)

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